10.2.14 白川村芦倉集落から三ヶ辻山経由人形山往復

岐阜県と富山県の県境にある人形山は、通常富山県側から宮屋敷経由で登られている。
夏冬共に岐阜県側から登られる事はほとんど無いだろう。
今回あえて白川村芦倉集落からの長い凸凹尾根に、登路を探ってみた。

思っていたより細い尾根に苦戦


鳥瞰図。意外なギャップや急斜面も出てきた


モルゲンロートに輝く白山北方稜線をバックに進む


尾根はだんだん広くなる


上部は美斜面も多かった


三ヶ辻山頂上から人形山への稜線を良く観察する


急斜面も出てきて緊張


人形山頂上にてセルフタイマー


美しい稜線


三ヶ辻山頂上から、息をを飲む滑降がしばらく続いた


上半分は楽しい滑降


下半分はアイゼンとスキーの足回り変更が忙しい


芦倉山頂上もサラリと通過


芦倉集落への斜面は急


感動と緊張の一日でした


  白川村芦倉集落から三ヶ辻山経由人形山往復
(日付)2010年2月14日(日)
(山域)白川村
(メンバー)篠崎
(天気)晴れ、高曇り
(タイム)芦倉集落4:15→芦倉山7:00→三ヶ辻山10:00→人形山11:00→三ヶ辻山戻り12:00→芦倉
山戻り13:40→芦倉集落15:05
(記録)
 富山県岐阜県県境にある人形山は、通常富山県側から宮屋敷経由で登られている。岐阜県側からの登山は
ほとんど試みられる事が無いだろう。飛騨山岳会の方が過去にトレースされた事はあるはずだが、僕は過去に
その記録を読んだ事は無い。地図上ではすっきりした尾根筋で、合理的ライン取りの様に思える。今回雪が締
まるタイミングを利用し、単独縦走山スキーに挑戦してみた。

 芦倉集落の橋の脇に車を停めさせていただき、神社裏からまだ真っ暗の急斜面に取り付く、雪は硬くいきなり
緊張のシール登りだ。100mほど登るといきなり大岩から、テレビアンテナの立つ狭いリッジに突き当たった。
まだ真夜中の暗さでお先真っ暗な気分になる。岩は巻いてリッジはアイゼン歩行で越えた。
 雪は潜らずアイゼンでも登るスピードは同じだ。そのまま芦倉山に向かう稜線まで、アイゼンで登り上げた。
 尾根でスキーに変えるが、芦倉山周辺の尾根は細い。芦倉山を越えて小ピークの先にやや深いギャップが出
てきた。ここでまたアイゼンに変えて、ギャップは慎重に突破する。朝の雪は硬くて滑落したらまず命は無い。

 ギャップを越えたらまた少し尾根は広くなった。ポン太君を背負っていると重いので、やはり足回りをスキーに
変える。小ピークの細かい登り降りが続く。滑落しないように慎重に雪面をこなしつつ尾根筋をひたすらトレース
した。三ヶ辻山への登り斜面は広くて快適。予定通りの時刻に三ヶ辻頂上に着いた。
 快適な広い頂上で天気良好、人形山の頂上も呼んでくれている。そのままシールで宮屋敷へのコルに向かい
滑り出す。ところがいきなり急な下り斜面に突き当たった。このままスキーで降りていたら大変な事になっていた
と肝を冷やす。

 ここで尾根を観察して先を考える。この雪面の尾根ではスキーは楽しめないし、左右の谷を見たら危険でもあ
る。ここは潔くスキーデポを決めた。三ヶ辻山からコルへの下りは一部でかなり急。ピッケルを持ってこなかった
ことを後悔した。慎重に突破して雪庇の連なる尾根を越え人形山にも登頂する。
 ここからの帰りも長い。三ヶ辻山の登り返しはダブルアックスが欲しいくらいだ。それでも気温が上がり雪面は
緩んできてくれた。三ヶ辻山からの滑降はかなり快適。パウダーとはいかないがそれでも満足の行く滑降が出
来た。
 
 小さな登り返しをあの手この手でクリアし、芦倉山周辺の狭いリッジはアイゼン歩行で通過する。スキーに戻
してからかなりの急斜面も出てきたが、雪面は緩んでおり問題なく対処できた。芦倉集落への斜面は谷に降り
たいのをじっと堪えて、尾根筋を下る。谷からは不気味な水音が聞こえていた。
 最後のアンテナリッジはやはりまたアイゼンで慎重に通過し、その下から一気に神社裏まで滑り込む。次々と
現れる緊張の場面を一つ一つ越え、岐阜県側からの人形山往復に狙い通り成功した。緊張の場面もあった
が、結果的には大満足の会心登山となった。