10.2.7&10.2.13 平湯から大崩山北面山スキールート探求
平湯温泉から臨む大崩山北面は、一面藪だらけの急斜面でとても山スキーに向いているとは
思えない。しかし雪が多ければ、それなりに素敵なラインも引けるのではないか。
そんな甘い期待を抱いて、2週にわたり挑戦を繰り返した。
7日は赤線で途中敗退、13日に緑線でリベンジした
見た目通りの急な藪尾根
一部で4級マイナスの木登りも出た
ここのコルで残念ながら時間切れ
谷筋の滑降は爽快パウダー
下部で滝と堰堤に緊張
大崩山北面尾根、2057m峰まで
(日付)2010年2月7日(日)
(山域)平湯温泉周辺
(メンバー)操、西田、篠崎
(天気)雪後晴れ
(タイム)平湯温泉キャンプ場付近駐車スペース6:15→2057m峰11:45→沢筋へ滑降→駐車地戻り13:2
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(記録)
パウダーお約束の日曜日。しかし山が晴れ出すのは昼頃からだ。様々な事を考慮して、平湯から大崩北面の
尾根を探ってみる事にした。下から見たら急な藪尾根にしか見えないが、雪が多ければ何とか登り上げる事も
出来るんじゃないか。行ってみたら意外に疎林という事もあるかもしれない。しかしその思惑は悪い方に外れ
た。急で藪の上に細い部分も出てきて、予想以上に苦労する。
特に2057m峰下、標高1800mから2000mにかけては右側がざくっと切れていて所々緊張した登攀?と
なった。僕は2度スキーを脱いでツボ足歩行とする。
ワンポイント4級マイナス?の木登りも出てきた。何とか問題なく突破したが、こんな所でこれは無いよと思う。
結局終始テンションは上がらず、2057m峰で撤退を決定した。天気は回復傾向だっただけにやや敗北感を感
じる。
滑降は尾根から見てスキーヤーズライトの沢に入る事にした。地図上での傾斜はかなり急だ。コンディション
からは雪崩要注意だろう。
珍しくピットを掘って雪質を確認する。60cmで弱層が出てきたが、思ったよりは安定している。沢筋でも木は
多いし、科学的か感覚的かはおいといて。気をつければ大丈夫と判断、気持ちよく沢筋に入り込んだ。もちろん
お約束の激パウダーで歓喜する。
所々にゴルジュ状の滝が出てきたが、全てきちんと埋まっていた。最下部ではやや大きな堰堤が4つ出てく
る。雪が豊富なお陰でどれも問題無く突破したが、雪が少ないとこの沢は下部ではまるだろうと思う。傾斜が緩
くなってから、しばらくのクロスカントリーで国道158号に飛び出た。
自宅から近いのは有難いが、ちとこの尾根は急藪で上部が細い。今回は敗退となったが、それではまたリベ
ンジしたいとは、あまり思えない感じの尾根だった。
鳥瞰図。7日赤線、13日緑線でリベンジ。緑のラインの方が多分正解
ちょっとはマシな藪尾根
上部は美斜面
大崩頂上直下
下降はやっぱり谷筋へ
下部はデブリに苦戦
GPSは有難い
大崩山北面尾根リベンジ
(日付)2010年2月13日(土)
(山域)平湯温泉周辺
(メンバー)篠崎
(天気)雲、ほとんど無風
(タイム)平湯温泉キャンプ場付近駐車スペース5:00→2057m峰8:55→大崩山頂上10:35→駐車地戻り
12:25
(記録)
今週末も好天の周期が巡ってきた。代務の先生もみえるし、ここは当然山スキー出動だ。何処に行くかはか
なり迷ったが、やはり先の日曜日に挑んだ大崩北面をリベンジしておこう。ただ同じ尾根を登るとまた木登りに
はまるから、1本東側の尾根に取り付く事にする。
早起きには無事成功し、まだ暗いうちに尾根に取り付けた。数日前の雨で斜面はガタガタして硬い。尾根の
取り付きが急でシールが利かない。ここは潔くアイゼン歩行に変えた。愛機ポン太君を背負うとずっしり重い。
こんな重いものを毎週足につけて歩いているのだなあと思うと、これは良い運動になるよと思う。それでも体重
は減らないから、よほど普段からたくさん食べているのだろう。
それはさておき上部でも雪はあまり潜らない。多少のツボ足ラッセルを覚悟すれば、このコンディションならア
イゼン歩行の方が安全そうだ。というわけで2057m峰に至るまで半分以上アイゼンで登り上げた。先週より随
分と早く着いて気分を良くする。
足回りをスキーに戻して、平らな部分をトラバースし上部尾根に取り付く。ここは素敵な斜面が続き滑降が楽
しみだ。そうなるとペースも上がり、そうこうする内に問題無く大崩頂上に着いた。天気良好で猫岳頂上も呼ん
でくれていたが、明日の事を考え今日の行程はここまでにする。広い上部尾根の滑降はチビパウダーで素晴ら
しかった。
さて2057mから下はどのラインを下るか大問題だ。この前の谷は滝が出ていそうだから避けたい。
ここは2057m付近の狭い藪尾根を通過し、一本隣の安全そうな谷に下る事にした。尾根上はスキーヤーズ
レフトが切れているので、100mほどアイゼン歩行にする。谷へのエントリーがはっきりしたところでスキーに戻
した。
過去の記録どおり、こちらの谷には滝や堰堤も出てこなかった。ガタガタ斜面だが雪もきちんと乗っていて気
持ち良く標高を下げる。しかし最後はデブリの谷となった。右に左に逃げる内に一回崖にぶつかりヒヤッとす
る。最下部は水も出てきたが、無事にクリアしてGPSの指し示す通りに車の停めてある地点にピッタリと出た。
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