10.1.11 焼岳北面台地から焼岳南峰、黒谷滑降

何時登っても素敵な登頂感有る山、焼岳。今回Yasuhiro先生の記録を参考にして、北面台地からの北面ルート
を探ってみた。意外に手ごたえ有る上級ルートに大満足の一日となる。

赤線登り、青線下り、緑線は林道スキー


黒谷の巨大堰堤の下を横断


台地末端の登り上げはやや急


笠が岳をバックに北面台地を気持ち良く登る


徐々に斜面は急になる


標高2200mで、たまらずアイゼンに変えた


なかなかの迫力


頂上の懲りない先生とポンチャン


黒谷へ滑り降りる。石を踏まない様に


谷の中はパウダー一直線


真っ白雪で傾斜が良く分からなかったり


恐れていた滝が出てきた


ガレ場地帯を無事突破して堰堤まで下る


グーグルアースの鳥瞰図も作りました


  焼岳北面台地から焼岳南峰、黒谷滑降
(日付)2010年1月11日(月)
(山域)飛騨山脈
(メンバー)操、Mさん、篠崎
(天気)晴れ、高曇り
(タイム)砂防林道奥除雪終了地点6:35→2200m地点アイゼン歩行へ10:35→焼岳南峰頂上13:00→
林道戻り15:35
(記録)
 今日はMisao先生のお友達クライマー?Mさんが参加され3人での山行となった。Mさんの山スキーでの力
量は未知数だが、アルパインクライミング志向だと言うし、きっといざと言う時に見事な集中力を発揮してくれる
だろう。
 徐々に空が明るくなりだす頃に砂防工事用林道を歩き出す。雪は適度に締まってくれている。天気は良いし
何とか頂上まで至るのだと思う。

 まずは黒谷の堰堤下で沢の横断のため一度スキーを脱いだ。次いで北面台地末端の登り上げが急で、ちょ
っと苦労する。思ったより多難な出だしだ。台地に出たらしばらくなだらかな気持ち良い斜面が続いた。
 高度が上がるに連れて徐々に傾斜が増してきた。台地の幅は少しづつ狭まり、急な斜面に追いやられてい
く。森林限界を越えた辺りから、僕のシール登高の限界も近づいてきた。2100m地点で新品スキーアイゼンを
付け、標高2200m地点の岩の下の窪みでスキーをあきらめアイゼンに変えた。

 ここから先もまだ深い雪が続くが、シールよりもつぼ足歩行の方が僕には安心感が有る。こういう所が大学山
岳部出身者ならではの特徴だろうか。所々に雪崩の危険を感じる急斜面トラバースもあり、慎重に突破する。
 風も大分強くなったところで火口外輪に出た。一気に登り上げて頂上に立つ。焼岳は何時来てもダイナミック
で登頂感のある山頂だ。今日は特に何時もよりワンランクアップしたラインを取れて更に嬉しい。

 黒谷への滑り出しは比較的緩い。斜面はやや硬いが、今日は問題なくピークスキーを決めれそうだ。方向を
見定めると、少しでも陽が当たり緩そうな斜面を繋げて黒谷に入り込んだ。所々に岩が出ている。新品の板を
傷つけないように注意を要した。
 谷の中はパウダーだった。どんどん気持ちよく下れる。とはいえMさんはそうも行かない様子で、僕はかなり
の時間、谷の斜面で待たなければならなかった。
 雪崩危険地帯でゆっくりするのは嬉しくは無い。代務の医師が帰ってしまう時刻も気になる。しかし周囲地形
とこの日の雪のコンディションからは、それほど雪崩の危険は感じなかった。
 
 途中一箇所谷が狭まる所があり、急斜面で雪崩れ一発あり。更に標高1500m付近で雪が割れ恐れていた
滝が出てきた。イザとなれば水の中をジャブジャブ進むしかないと思いながら、僅かな側面の雪を繋げて滝を
突破する。エッジが岩でどうしても傷つくが、ここは我慢するしかないという感じだ。
 その後も地雷の様に埋まっている岩や石にドキドキしながら、谷の側面を滑り巨大な黒谷堰堤に着いた。堰
堤は左岸から越えるという事は行きの段階で確認してある。問題なく堰堤を越え、林道に到着した。

 早速病院に電話したら、昨夜のオペ患さん含め、患者さん等は皆それなりに落ち着いているらしい。新品の
板を傷つけてしまったのは残念だが、全員無事に帰還できたし、素敵な緊張感と開放感を味わえて僕は大満足
だ。
懲りない先生の本音満載ブログへもGO